| アジア太平洋地域におけるナノ市場で積極展開 ―Nanotech 2008に出展― |
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| バイエル株式会社 2008/2/13 |
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| バイエル マテリアルサイエンスとバイエル テクノロジーサービスは、2月13~15日に東京で開催される「国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(ナノテク2008)」に 3度目の共同出展を行なう。注目を集める世界最大のこの展示会は、バイエルが日本とアジア太平洋地域の市場に進出を計る場である。バイエルのナノテクノロジーワーキンググループの責任者ペーター・クリュガー(Péter
Krüger)博士は、「この地域では、ナノテクノロジーが急速に発展しており、すでに多くのセクターで工業利用がなされている。我々がナノテクノロジーセクターの優れた産業パートナーとして、 「ナノテク2008」に出展するのは、このためである。この展示会では、カーボンナノチューブ「Baytubes®」をはじめ商品化可能なバイエルの先端材料や先端プロセスに焦点をあてる予定である」と述べている。バイエルの主なテーマは、「移動性」、「有機エレクトロニクス」、「包装」、「レスポンシブルケア」である。 〈1〉リチウムイオンバッテリ・パッケージ用のカーボンナノチューブ 高いエネルギー密度や長い耐用年数などのおかげで、充電可能なリチウムイオンバッテリは現在のモバイル世界で人気を高めている。このバッテリは、ラップトップ、カメラ、模型飛行機、工具など、軽量でありながらエネルギー消費量の多い装置への電力供給に適している。 将来的な用途には、間もなく生産開始となる、初のリチウムイオンカーがある。耐用年数とパフォーマンス面での特長は、陽極として使われるグラファイトマトリックスの中でリチウムイオンが自由に動けることである。従って、充放電サイクルを数回繰り返した後でも容量が減ることはない。バイエル マテリアルサイエンス社のBaytubes®専門家・ヘイコ・ホッケー(Heiko Hocke)博士は、「我々は、長期にわたって充電できるバッテリ添加剤としてカーボンナノチューブを、「Baytubes®C150HP」という商品名で販売している。当社の製品の強みは、リチウムイオンバッテリの製造業者が定めた厳しい純度要件を守っていることだ」と述べている。
リチウムイオンバッテリに充電するときは、酸化リチウムメタルから陽極グラファイト層へリチウムイオンが移動し、そこに挟み込まれる。バッテリの放電時はこれと逆のことが起きる。こうした充放電プロセスにより、グラファイトマトリックスには周期的な体積変化が起きるが、これは長期的にはマトリックス自身における変化の原因となり、それが電力のロスやバッテリの耐用年数の減少につながる。Baytubes®C150HPはその構造により、体積変化の悪影響を抑えることができ、バッテリの高い容量と長期の耐用年数を維持することができる。「当社のカーボンナノチューブの高純度はこれに貢献している。カーボンナノチューブにはモリブデンや鉄は含まれていない。これに加え、リチウムイオンバッテリの電解液を汚染する可能性のある可溶性不純物の濃度は、数ppmと非常に低くなっている」とホッケ博士は言う。 〈2〉BaytubeⓇナノチューブに基づく導電性外層を備えた初のプラスチックドラム カーボンナノチューブ(CNT)「Baytubes®」の画期的なメリットの ひとつは高い導電性であり、この特性を利用すれば、例えばプラスチックを導電性にすることができる。
この効果は、ドイツのゼルタースに本社を有する高品質輸送パッケージの国際的な製造業者、Schütz GmbH & Co. KGaAが最近開発した画期的な製品のベースとなっている。同社はバイエル マテリアルサイエンス社と共同で、F1-EX-ナノを開発する研究プロジェクトに取り組んできた。ナノ粒子によって導電性を持つようになった初のプラスチック製輸送ドラムである。このドラムは、防爆区域での使用が予定されている。バイエル マテリアルサイエンスのナノテクノロジー専門家ヘイコ・ホッケー(Heiko Hocke)博士は、「当社のBaytubes®はカーボンブラックに置き換わるものである。静電気防止特性のおかげで、溶剤やオイルなどの引火性の貨物が静電荷によって引火するのを防ぐために必要なCNTは、低濃度に抑えることができる」と述べている。このプロジェクトが成功裏に終了したことを受け、Schütz社は現在、カーボンブラックの代わりに多層カーボンナノチューブを他のパッケージ製品でも使う可能性を探っている。 この新しいドラムは、2年前に導入されたF1-EXタイトヘッド・ドラムの改良型で、Schütz社独自の安全層テクノロジーを使う押出ブロー成型プロセスでポリエチレンから作られている。このドラムは3層構造で、薄い外層にはBaytubes®が含まれている。優れた導電性を持つことに加え、カーボンナノチューブを使えば、F1-EX-ナノドラムのすでに優れている力学特性をさらに高めることもできる。例えば、ポリエチレンの低温衝撃強度が高められたことにより、ドラムの低温落下衝撃強度がさらに改善されている。ドラムの内容物に対する化学耐性も改善されている。 〈3〉ゾルゲルコーティング用の新しい高機能架橋剤(crosslinker) バイエル マテリアルサイエンス社は、「Bayresist®VPLS2331」により、ゾルゲ
適度な養生温度、低い収縮率 オリゴマー液体架橋剤は貯蔵安定性が1年以上で、ナノ粒子で改良したコーティングに使うこともできる。Bayresist®VPLS2331を使ったゾルゲルシステムは、熱養生時にほとんど収縮しないため、より厚いコーティングを実現できる。これは処理特性に関する決定的な強みでもある。また、ほかのゾルゲルシステムと比べて、適度な温度で短時間の経済的な養生も可能である。下地が熱に反応する場合、このゾルゲルシステムは、架橋剤の高い反応性のおかげで、室温で長時間養生できる。 架橋無機コーティング-柔軟性があって透明 Bayresist®VPLS2331をメタルアルコシドやシランと組みあわせれば、透明で柔軟性のあるゾルゲルフィルムを作ることができる。高いスクラッチ耐性や磨耗耐性に加え、この架橋無機コーティングは溶剤や酸への耐性も高い。従って、養生後も強い耐磨耗面ができ、掃除が容易で落書き防止塗装にも適している。疎水性もあるため、防食塗装にも適している。 無機-有機のハイブリッドコーティング Bayresist®VPLS2331を有機コーティング材と組みあわせることで、ハイブリッドコーティングができ、有機および無機のゾルゲルコーティングの強みを組み合わせた皮膜特性が生まれる。Bayresist®VPLS2331を有機コーティング材と組みあわせることで、ハイブリッドコーティングができ、その皮膜特性では有機および無機のゾルゲルコーティングの長所強度が組みあわせられる。その結果、両素材のネットワークが相互に浸透し合う。「これにより、ミクロ硬度が高くて化学製品や酸に対する高耐性の1材型と2材型のハイブリッドコーティング合成することができる」とNennemannは言う。 この新しい架橋剤は、セラミック材で使うこともできる。そうすれば、Bayresist®VPLS2331の低い収縮率、高い反応度、高い架橋密度と、改良された延性との組みあわせが、新たな可能性を開いてくれるだろう。 〈4〉インクジェット・プリンター用に開発されたナノシルバー・インク 電気配線ダイアグラムの導体トラックは、厚さが20マイクロミリメートル以下で、裸眼で見ることはできないが、「BayInk®」のナノ粒子シルバーインクを使えばこれを生産することができる。水ナノ分散(aqueous nano dispersion)は、バイエル マテリアルサイエンス社とバイエルテクノロジー・サービスが共同で開発した技術である。新しい世代のインクジェット・プリンター用に開発されたこの技術は、まもなく商品化される予定で、これを利用すれば、配線ダイアグラムを高いレベルの生産性(工業規模の場合でも)で費用効率的に作ることができる。バイエル マテリアルサイエンスにおけるニューテクノロジー・グループのナノテクノロジー専門家・ステファン・バーンミュラー(Stefan Bahnmüller)は、「当社のナノインクは、比較的低い銀の重量比で銀元素の導電率の10%を達成することができる。また、ポリカーボネート、PET、熱可塑性ポリウレタン、ガラスをはじめ、さまざまな下地材への付着性にも優れている」と述べている。
この新しいナノインクの養生温度は130℃以下で、市販されているほとんどのシルバーインクよりはるかに低くなっている。このため、BayInk®は、本来であれば養生プロセスでの熱負荷に耐えられないさまざまなプラスチックにも、プリントが可能である。これに加え、プリントされた導体トラックは柔軟性と伸縮性が非常に高い。「これは、例えば、配線ダイアグラムのプリント後にフィルムインサート・モールディング・プロセスを使って形作られ、その後、射出成形(back-injected)されるプラスチックフィルムにとっては、特に重要である」とバーンミュラーは言う。 インクジェット・プリンターを使う配線ダイアグラムのプリントが魅力的なオプションなのは、このプロセスが非常に単純明快で精密だからである。これに加え、化学的なエッチング・プロセスとは異なり、このプロセスは環境にも安全である。これまで、インクジェット・プリンターのシルバーインクは、工業規模で使われた場合に問題が生じることが多かった。プリンターのスプレーノズルが詰まってリジェクト率が高まり、経済的に生産を行なえなかったのである。バーンミュラーは、「これとは対照的に、当社のナノインクの微粒子サイズと分布はこのプロセスに完全にマッチしている。つまり、ノズルが詰まることはなく、質の高い生産を中断せずに続けることができる」と述べている。 バーンミュラーは、スクリーンプリントでも使えるBayInk®は、印刷エレクトロニクスの分野で大きな可能性を秘めていると考えている。例えば、センサー、アクチュエーター、RFIDなどで使うこともできる。光発電セルの導体トラックは、ナノシルバーインクを使って作ることもできる。自動車産業の場合、BayInk®を使って生産された配線ダイアグラムは、例えば計器パネルのケーブルハーネスの代替品として理想的である。ナノインクを基にした非常に薄いフィラメントは裸眼では見ることができず、リアウインドーやヘッドライトのレンズのくもりや着氷を防ぐことができる。 現在、バイエル マテリアルサイエンスは、イエナ大学やマールブルク大学と共同で、BayInk®から作られる導体トラックの幅をさらに少なくする研究に取り組んでいる。 |